トランボ


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移住先の映画館がこれまた絶品をプログラム。
1日1回上映の1週間限定という小憎らしい技を。
外出したくない強風で吹雪いて冷え込んでいた休日に行ってきた。










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東西冷戦下のレッドパージ(赤狩り)の話です。
非米活動委員会の公聴会で映画人の10人が議会侮辱罪で、
有罪判決を受けたということで「ハリウッド・テン」と呼ばれ、
ダルトン・トランボは共産主義者として最も有名であり、
投獄されハリウッドのブラックリストに載せられます。

この手の話は「グットナイト&グッドラック」でも描かれており、
あの作品も難しかったけど色々考えてしまうんですよね。
何が正義で正しい生き方なのか?とか民主主義とは?とか。
自由という名の下でも抑制されてしまう時代の流れ、
というものがあります。
この時代は全米が共産主義に震え上がっていた時代。
極端な思想が国中を覆い尽くしてしまうかも、という恐怖。
映画は好まれない思想を作品として流し、
観る者の思考にすんなりと入り込む。
その大きな力となるであろう脚本家が共産主義者となると、
非米活動委員会はどんな手を使っても逃しません。
今日の友は明日の敵、そんな時代。










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トランボを支えた良妻賢母なクレオ

ダイアン・レインの代表作になるかしらん?
力まず品良くスマートでとっても良かったです。
彼女のお陰でトランボは最後の砦(味方)の家族を失うことなく、
家族の支えで復活できたので、できる奥さんの存在は大きいな。









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逆にヘレン・ミレンの印象わるっ!

と、いうのも彼女は非米活動委員会の一員なので、
ハリウッド・テンを仕立て上げた1人。
コラムニストのヘッダー・ホッパーは女優でもあるので顔が効くのね。
彼女と連んでいるジョン・ウェインも、実はこんな人だったの?と、
驚くほどイメージダウンでしたが、
こちら側もあちら側も各々の思想があって生きてるだけなんです。
観客のワタシはどうしてもトランボ寄りに観てしまうので、
ホッパーもウェインのハリウッドでのやり方に汚さを感じますが、
それもこれも恐怖から変化した自衛でしょうか?










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湯水のようにアイディアが湧き出る

共産主義者でもないのにトランボへ仕事の依頼をする、
独立系映画会社(いわゆるB級)のキング兄弟と、
「スパルタカス」の脚本を依頼した、
しかもトランボの実名でクレジットした、
カーク・ダグラスが好印象でした。
ホッパーたちはキング兄弟やダグラスにも圧力をかけるけれど、
それを凛として撥ね付ける強さがあるのよね。
もー、スカッー!としました。
カーク・ダグラスが背中を押したように、
トランボのインタビュー番組、そしてスピーチのシーンは必見。

アカデミー脚本賞を仮名で2度受賞。
ご存知のローマの休日と、黒い牡牛。
自らの体験を盛り込んだ黒い牡牛、今観ることができるかな?
それとウディ・アレンのザ・フロントもこの時代の事が描かれている。
どちらも機会があれば観てみたい作品で忘れない様ここに書いておく。

非米活動委員会の面々の中に、
ドナルド・レーガンが出てきた。
ふぅ〜ん、なるほどそうだったのか。

ちょっとでも怪しまれたら無実の罪で死刑になったり、
共に活動していた仲間から密告されたり、
誰が敵で味方なのか信じれるものは自分だけな時代。
その風潮は今もまだ残っているのだろうか・・・
民主主義の中でも、声の大きな多数へ身を置いておけば、
我が身は安泰というところ、なきにしもあらず?

2016.No55 移住先にて








by jog-daisuki | 2016-11-29 21:26 | 映画を観よう(た~は行) | Comments(0)
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