大統領の執事の涙


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このところ黒人差別が色濃く行われていた頃の映画が多い気がする。
この作品は初めそんなにチェックしてなかったのだけど、
映画好きランナーの兄弟子さんから勧められた。

そのプレゼンっぷりに冷めていた気持ちに火がつき、
翌日観に行ったという、、、なんだよ、すぶん!

そしてこれも実話がベース。








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アメリカ南部、セシル少年は両親と綿花畑の小作人として働いていた。
セシルの母親は綿花畑の主人に弄ばれ、ある日父親が感情をあらわにする。
それは命の危険に繋がり、いとも簡単に主人はその命を奪う。
目の前で父親が殺されたセシルは、女主人からハウスニガーとして雇われる。
セシルにとってこの女主人との出会いで大きな運命の扉が開かれるのだ。






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女主人から気配を消して空気になれ、と教えられ、
独り立ちし高級ホテルの見習いとなった青年セシルは、
そこの執事から、相手が何を望んでいるか素早く読み取れ、と教えられる。
そして晴れてボーイとしての仕事ぶりを認められ、ホワイトハウスの執事となる。

どこで誰と出会うのか、どこで見られているのか、
人の運命という道は本当に未知なものだ。






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3人で切磋琢磨し合う。
キューバ・グッディング・Jrも良かったが、パッと目を引くのはやはり、、、
隠せぬオーラの持ち主レニー・クラヴィッツでしょうか?
もう1人音楽畑から出演していた7オクターブのあの方は、初め似てるな~程度で、
全く本人とは気付かないほど、歌姫オーラが消えていた。

張り詰めるホワイトハウスの中で、3人が集まれば息抜きタイム。
見ているこちらもホッとする。






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この映画の興味深いところは、父親が7人の大統領に仕えていて、
息子の方は南部の大学へ進学し、当時の公民権運動の真っただ中に、
身を置いていたという生き方の大きなギャップ。

まだ中学生だった息子ルイスがエメット・ティル事件を知る。
1955年のことである。
この頃からデモやなにかしらの事件、運動が頻繁に起き、
マルコム・Xやキング牧師といった黒人解放運動のリーダー的な存在が生まれる。

ホワイトハウスで起きる歴史的出来事と、息子の姿を通して見る公民権運動。
その狭間で苦悩する父の顔を現わすセシルと、大統領に尽くす白人の顔をするセシル。






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歴代大統領とのやり取りは多少の色づけがあると思うものの、
そんなシーンも見どころのひとつ。
執拗にジャッキーの靴は何足あるの?と尋ねるセシルの妻グロリアを演じた、
天下のオプラ・ウィンフリーは流石の貫録なのだ。笑

歴代大統領を演じた俳優陣もよく特徴を捉えていたと思うが、
1番素晴らしー!と感じたのは、なんとナンシー夫人を演じたジェーン・フォンダ。
そんなに出番はなかったが、全身全霊でナンシー夫人だったが、
確かジェーン・フォンダ自身は、リベラルな人だったかな?
映画はときに面白いネタを仕込んでくれている。


年老いたセシルとグロリアは毎日オバマの選挙事務所を覗きに行くのが楽しみ。
それはまるで家を建てている作業を毎日見に行っていた爺やと婆やを思い出す。
初の黒人大統領誕生か?ということは、アメリカでやっと黒人の基礎(基盤)が
できるか?というそれは本当の母国になるような意味合いにも繋がるのかな。

ラストはオバマのスピーチと当時誰もが口にした 「YES,WE CAN!」が出てきて、
今から5、6年前?のことなのに、なんだかずいぶん昔のことのような錯覚。
それだけ物事のスピードが速いのだろう。
まるで映画の中の話のような、黒人奴隷の時代から大統領になるまでを、
1人の執事の人生に色濃く染み入っているおとぎ話のような作品だった。

まだまだ時代は続いているのだが。


2014.No13 シネマフロンティアにて
by jog-daisuki | 2014-03-29 21:00 | 映画を観よう(た~は行) | Comments(0)
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